素人社員が発信する工業系コラム vol.2 【CAM編】

前回はCADについて掲載させて頂きましたが、今回はCAMです。私の無知を露呈する様でお恥ずかしいのですが、現在の会社に入るまでCAMについては全く知りませんでした。

CADとCAMって何がどう違うの?というレベルです。もしかしたら、工業系の学校などを経ていない新入社員、私のように他業種からの転職者は、同じ様な状態かもしれません。その様な方の力、参考になればと思いながら記載させて頂きました。

CAMはどんなところで使われている?

CAMは精密部品や金型などNC工作機を使用する現場で使用されています。そう言われると、製造とは全く違う業界にいらっしゃる方や、製造現場には普段直接触れ合わない方からすると少し遠い話に聞こえてしまうかもしれませんが、日用雑貨や家電製品、自動車など普段身近にあるものも、製品そのものや部品には金型を用いられて作られているものが多くあります。

その過程でCAMは活躍しているという訳です。

 

さまざまな製品

CAMって何?

CAM=Computer Aided Manufacturingの頭文字をとった略で、訳すとコンピューター支援製造となります。
あれ?やっぱりCADと似ていますね!CAMを分かりやすく説明すると、コンピューターを使って工作機械を操作するためのプログラムを作成するものです。

指令

CAMの歴史

CAD同様に開発されたのはアメリカになります。マサチューセッツ工科大学で、工作機械を人による操作ではなく数値で動かすNC(Numerical Control=数値制御)と、APT(Automatically Programmed Tool)といわれるプログラミング言語が開発されたことから普及していくことになります。開発されたのは1950年代と、CADよりも少し前となります。

CAMの種類

2DCAM・3DCAMがあり、データ出力として前者は2軸、後者は3軸以上に対応しています。

CAMの役割、メリットとは?

工作機械のプログラムをCAMで作成する、これだけですごく便利そうだなと安易な想像をしてしまいますが、どの様なメリットがあるか、その役割も含めてまとめてみます。

 

まず、役割としては既述の通り機械の操作プログラムを作るということになります。加工のプログラム=NCデータを、CADなどにより作成された図面をもとに作成し、そこから工作機械へ送り込むという流れです。

 

そもそも工作機械へは直接NCデータを入力することは可能です。では、CADを使用することのメリットはどの様なことが挙げられるか、以下に書き出してみます。

CAMの役割、メリットとは?

保存・蓄積

紙ベースだと保管はもちろんですが、「以前と同じのもの」と言われた場合や、修正などが発生した場合などでの作成も簡便性が向上するでしょう。省力化でのアドバンテージが見込めます。

 

作業面

人によって直接入力するよりも、速度・正確性での向上が見込めます。複雑なものであれば尚更です。その上、事前の確認も容易となるため、データの不具合などを加工前に見つけることが可能となります。そのため、作業効率全般の効率化が計れるでしょう。

 

業務面

CADによる設計、CAMによる加工プラグラム作成は、作業・加工工程のスタートと言えます。したがって、その段階で工数や労務費、時間・日程などの算出が可能になります。
私のように営業にも携わる立場からすれば、それらは見積り作成に必要な情報となるため、商取引上重要な情報が得られるということになります。少しでも早く正確に見積りを回答したいというのはどの企業でも同様かと思いますが、そのためにはCAMの有効活用も必要と考えます。労務費や労務管理の面からもその情報は有益と言えるでしょう。

技術面

 重複しますが、CAMにより複雑な加工プログラム作成など、人の手入力では大変である様々な加工が可能になると共に正確性も向上します。
モノづくりは、ともすると属人的要素が強くなる傾向が強いと感じます。特に弊社もそうですが、中小企業においては少数精鋭での運営となるため、技術継承など教育面の観点から考える必要があります。

「人の手でしか出来ない」、またはそこが「特色」といったもの・事でなければ、より効率化・標準化されたものに移行して行くことは重要です。
CAMの活用により、熟練者のみならず経験値の低い社員でも作業が出来る様になる事にはその様なメリットもあると考える事が出来ます。
加工プログラムを作成するだけで、ここまでメリットがあるとは正直驚きです!少子高齢化、継承問題、働き方改革など、企業を取り巻く環境を考慮した場合には、環境整備の一環として有効だと言えますね。

 

実際に聞いてみた! 社員に聞く「CAM」

CAM職人プロフィール


入社25年、CAM歴24年の弊社CAM担当のエキスパートです!
機会系の仕事に興味があり入社されました。現場での機械加工を経て、入社半年後CAMソフト導入時にCAM担当へ。
「正直、CAM担当になるとは思ってなかった」と、当時を振り返って頂きました。その後CAMに携わり24年!組織の人事異動が人生に及ぼす影響大ですね。
そんなCAM職人の趣味はバイク、そしてブランキージェットシティーを聞きながらお酒を飲むことと。出社もバイク。雨や風、冬は大変だろうなと心配します。

CAM初心者の時に苦労したことは?

「ソフト導入と同時に担当になったため色々と苦労しました。何も分からない中で相談もなかなか出来ず、試行錯誤しながらデータ作成を行っていました。よく現場の方から怒られた事を思い出します。」

成功!失敗⤵

「CAMは細かい見落としが大きな失敗に繋がります。

失敗の記憶しかないです。失敗した夢を見て目を覚ますことがあります。」

CAMでプログラミングする時に配慮していることは?

「早い加工ときれいな仕上がり、次工程に手がかからない様に心掛けています。なかなか思い通りにはなりませんが、、、、。」

CAMの魅力!

「PC画面上で見ていたモノが製品として形になるのはやはり面白いです。《手を抜けば手を抜いたなりのモノしか出来ません。》
最終工程まで影響するので、神経をすり減らしながらの作業ですが、キレイに出来上がった時の達成感があります。」

まとめ

プログラミングというとすごく大変なものというイメージが私の中にはあります。これは、スポーツや音楽に興味の大半を注ぎ込み、そういった方面に興味が無かったこと、社会人になってからも主に外回りの営業を行ってきたことが要因なのかもしれません。

現職に就いたことにより、私が知らなかっただけで、私が興味を持った分野におけるモノ達も、もしかしたらCADやCAMの大活躍によって出来上がってきたモノだったのかもしれないと気付かされています。

Youtubeでのゲーム実況や、プロゲーマーやeスポーツの隆盛もあって、若年層でのゲーム文化は留まるところを知りません。ゲームの中には選択可能なアイテムを使ってある程度自由にコースを作り上げる様なものから、「ゲームを創ること」・「プログラミングすること」自体をゲームにしているものも近年発売され注目されています。こういった環境下では、もっとプログラミングということ自体に興味を持ち、スキルを磨いて世の役に立つ人が増えるのではないか、CAD・CAMの更なる進化につながるのではないかと期待します。

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