放電加工の種類とは?細穴放電加工機のご紹介

放電加工についてご存知でしょうか。名前は知っていても詳しく説明できる方は少ないかもしれません。
そこで本記事では、放電加工や細穴放電加工についてご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

放電加工とは何?

放電加工とは、金属を溶かすことで加工する方法なのですが、どのように金属を溶かすかご存知でしょうか。
放電加工は、電気エネルギーを熱に変えることで、金属を溶かし加工する方法です。

実際にどのような方法で電気を熱に変えるのか気になりますよね?
放電加工は、加工したいものと工具の間のわずかな隙間に放電することで、6000度の熱と衝撃が生まれ、それによって加工したい金属を溶かす=削る方法になります。

実際の加工は、絶縁性を持つ加工液に加工したいものを浸して行います。

放電加工はその特徴から、非常に精度の高い加工ができ、また加工するものが導電性のあるものであれば、硬さや材質に関係なく加工可能で、多方面で重宝されている方法です。

放電加工機の種類と仕組みをご紹介!

一口に放電加工といっても、それには種類があって、特徴も異なります。
ここでは、種類や仕組みをお話しします。

形彫り放電加工機

1つ目は、形彫り放電加工機です。
これは、放電に使う電極を彫りたい形に加工し、その形を加工する金属に転写する方法です。
加工したい金属の近くで放電すると、電極の形が反転して加工されます。

懸念点は、電極を希望の形に加工する手間とコストがかかることです。
反対に良い点は、複雑な加工でも電極さえ加工・製作すれば簡単に転写できる点です。

ワイヤー放電加工機

2つ目は、ワイヤー放電加工機です。
ワイヤー放電加工機は、電極が非常に細いワイヤーになっている加工機で、ワイヤーが直径0.05mmから0.3mm程度なので、肉眼でなんとか見えるほどの太さになります。
この細いワイヤーを巻き取りながら動かして金属を切断していくのが特徴です。

1つ目でご紹介した方法のように電極の加工をする必要はありません。
しかし、切断する方式なので、抜き加工が主となり、貫通させずに底付きの形状に加工することは不可能です。
ワイヤーが垂直に設置されていることを考慮すると、一度に平行方向への加工を完了できないデメリットもあるといえます。

細穴放電加工機

3つ目は、細穴放電加工機です。
これは、その名の通り小さい穴を開けるための加工機で、電極の形状は、棒状やパイプ状です。
従来の切削加工と比べて性能が高いことが特徴です。
ドリルだと、折れてしまう可能性がある細長い穴は開けられませんでしたが、細穴放電加工機はそれを可能にしました。

加工機の仕組み

次に、加工機の仕組みをご紹介します。
それぞれの種類で細かい仕様は異なりますが、ここでは共通の仕組みをお話しします。

加工機は放電加工機本体をはじめ、制御装置、加工液供給装置によって構成されます。
制御装置は加工機全体を動かすための頭脳ですね。

本体は、加工する上でのメイン部分で、電極はここに含まれます。
その他にも、移動テーブルや加工槽も本体を構成しているものです。

加工槽とは、加工液が入っている部分を指します。
その中には、加工したいものが固定されていて、加工はこの加工液の中で行われます。

加工液供給装置は、その名の通り加工液を供給する装置です。
加工液は放電を補助するものですが、その役割は具体的に下記になります。
1つ目は、電流が流れる電界を保つことで、2つ目は、加工屑を取り除くことです。

その他、加工液により冷却されることで、加工物の熱による変形が殆ど無いことも役割と言えるでしょう。

加工液供給装置は2つ目の役割を終えて、加工屑を含んでいる加工液をろ過します。
そして、ろ過されたものは再び加工槽に送られます。

 

細穴放電加工で加工できる素材や加工の種類をご紹介!

ここでは、特に細穴放電加工についてお伝えします。
加工できる素材には、スチールやステンレス、アルミ、銅があります。
難加工素材には、タングステンやチタン、タンタル、電導性のあるセラミックス、モリブデン、ジルコニウム、ニオブがあります。

細穴加工でできる加工をご紹介する前に、まずは放電加工でできるものをご紹介します。

人工欠陥

1つ目は人工欠陥で、試験片に微細な欠陥をつける加工になります。

六角穴

2つ目は、六角穴です。
刃物では加工できないようなものであっても、放電加工であれば可能です。
この六角穴は、高硬度材料でも加工できます。

キー溝

3つ目は、キー溝です。
リングの内側には、キー溝と呼ばれる部分があります。
スロッター加工では底付きのキー溝加工や、大物ワークのキー溝加工が難しい場合があります。
そのような難しい加工でも、放電することで可能になります。

ネジ加工

4つ目は、ネジ加工です。
焼入れ後にネジを切り忘れた場合や、ネジを切った後に深くしたい場合に有効です。

深穴加工

5つ目は、深穴加工です。
刃物ではなかなか加工できませんが、放電加工だと可能になります。

斜め孔

6つ目は、斜め孔です。
こちらも刃物では難しい加工ですが、放電加工では可能といわれており、
その理由として、非接触加工であることがあげられます。

では、この方法を使ってどのようなものが作られているのでしょうか。
当社での加工実績からご紹介します。

当社の加工実績

その1つが、スプルーマッシュという金属部品です。
材質は、S45C、サイズは18×30×83です。
このスプルーマッシュの加工には、細穴加工の他にもワイヤーカットや施盤加工が含まれます。

その他にも、金型のエア抜き穴や精密なノズルに細い穴を開ける加工で使われます。
皆さんは、バリという言葉を聞いたことがありますか。
バリとは、加工の後にできる出っ張りやギザギザのことを指しますが、穴開け加工ではバリが出やすいと言われます。
しかし、この細穴放電加工を使うと、他の方法に比べてバリの発生が抑えられるメリットがあります。

まとめ

本記事では、放電加工の中でも細穴放電加工についてご紹介しました。
放電加工の基本知識や仕組みについて詳しくご紹介してきましたので、上記内容を参考にしてみてください。
もし分からないことがございましたらお気軽に当社までご相談ください。

 

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