知らない人が多い!?冬場に備えて工場で気を付けていること特集
冬が近づくと、街ではコートや暖房の話題で持ちきりですが……
実は 製造現場にも“冬支度”がある ことをご存じでしょうか?
普段はあまり語られませんが、工場では冬に向けて
“品質を守るための秘密の工夫” がたくさんあります。
今回は、そんな 冬の工場の裏側 をまとめて特集します!
コラム内容
① 朝イチの『機械のウォームアップ』は必須行事!
人間と同じで、機械も 冷えた状態では本領発揮できません。
特にマシニングセンタは、
冷えていると精度が落ちたり、主軸回転が不安定になったりします。
冬は毎朝20〜40分ウォームアップ運転を行い、
機械の温度を安定させてから加工に入ります。
知らない方からすると
「え?機械も準備運動するの?」
と驚かれるポイントです。

② 加工物も“冷えすぎ注意”
冬の朝、金属はキンキンに冷たくなっています。
そのまま加工すると寸法が落ち着かず、
“朝イチの寸法が毎日違う”現象が発生。
そのため、
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加工物を前日から工場内に置いておく
-
加工室で温度をなじませる
といった工夫をしています。
**“加工物も体温が大事”**というのは
意外と知られていない冬の鉄則です。

③ クーラント(冷却・潤滑剤)の濃度が冬だけ変わる!?
冬はクーラント温度が下がり、
濃度が上がりやすい という性質があります。
濃度が濃すぎると、
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泡立ち
-
ニオイ
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刃物寿命の低下
など悪影響が出るため、冬は特に 濃度チェックの頻度が増えます。
ある意味“冬のクーラントは繊細”。

④ 結露は工場の天敵!
外が冷え込み、工場内を急に暖めると
機械・ガイド・電装箱に結露が発生することがあります。
結露はサビや誤作動の原因になるため、
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一気に暖房を入れない
-
温度差をゆっくり解消
-
湿度管理をこまめに
といった配慮が欠かせません。
知らない人には
「結露で機械が壊れるの!?」
と驚かれるポイントです。

⑤ コンプレッサの『ドレン抜き』は冬こそ重要
冬は空気も冷え、水がラインに溜まりやすく、
治具のエア漏れや電磁弁の不調につながります。
そこで冬は
コンプレッサのドレン排出を通常より頻繁に実施。
“ドレン抜きは冬の朝の儀式”
と言われるほど重要です。
⑥ 刃物が折れやすい季節!?
冬は金属そのものが冷えて硬くなるため、
刃物のチッピング(欠け)が増える季節です。
そのため冬の加工開始時は
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無理な切削条件を避ける
-
最初の数個は慎重に加工
するようにしています。
意外と知られていませんが、
“冬は刃物に優しく” が基本ルールです。

⑦ CNC装置のバッテリーが弱りやすい
冬はバッテリーが冷えて性能が落ちやすく、
特に年末年始の長期停止明けは
バッテリー切れアラームが出ることも。
そのため、冬前に必ず
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バッテリーの交換時期チェック
-
電装箱の清掃
を行います。
“冬のバッテリーは油断禁物”です。
⑧ まとめ:冬の工場は、実はやることがいっぱい!
冬の工場では、
機械を安定させるための細やかな気配りが欠かせません。
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・温度管理
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・油温管理
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・湿度管理
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・測定値の安定化
-
・トラブル予防
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など、裏側では多くの仕事が動いています。
普段はなかなか見えませんが、
こうした冬支度が 安定品質と納期遵守の“縁の下の力持ち” なんです。
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