無いと困るマシニングセンタの周辺工具
気温がだいぶ下がって参りましたね(゜-゜)
寒くなってくると温かい防寒グッズが手放せなくなるものです( ;∀;)
我が工場にあるマシニングセンタも本体以外に必需品となるものがいくつかあります。
地味で目立たないけど、「無いと困るマシニングセンタの周辺工具」をご紹介いたします(/・ω・)/
コラム内容
ダイヤルゲージ

ダイヤルゲージとは、長さや位置のわずかな変化(変位)を高精度に測定するための機械式測定器です。主に金属加工や機械組立の現場で使用され、加工精度の確認や、部品の平行・直角度のチェック、芯出し作業などに用いられます。
特徴
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目盛りが円形(ダイヤル)になっていて読み取りやすい
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測定子(先端のピン)が押されることで針が動き、変位量を表示
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0.01mmなど、非常に細かい単位まで測定可能
よく使う用途
| 用途 | 目的 |
| 加工品の寸法確認 | 高精度な仕上げ寸法の評価 |
| 心出し作業 | 旋盤や治具の芯合わせ |
| 平面度・直角度チェック | 組立精度の確認 |
| ゲージブロックなどの比較測定 | 標準寸法と比較して誤差確認 |
プリセッタ―

プリセッタ―(ツールプリセッター)とは、
工作機械の外(機外)で切削工具の長さや径を高精度に測定し、NC装置に登録するための専用測定装置です。
ポイント要約
| 目的 | 工具データ(長さ・径)を正確に測り、段取りを効率化 |
| 使用場所 | 機外(機械を止めずに準備) |
| 精度 | μmレベルの高精度 |
| 効果 | 段取り短縮/加工精度向上/工具管理の高度化 |
「機械は加工に専念、段取りは外で」
という生産性アップの考え方に基づく装置です。
ピックテスト

ピックテストとは、正式名称を
**テストインジケータ(Test Indicator)**と呼ぶ、微小な段差・傾き・振れ(振れ精度)を測定する精密測定器です。
現場では、振れを確認する工具=ピックテストとして呼ばれることが多いです。
何をする道具?
主に、
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ワークの段差測定
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平面度・直角度の確認
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芯出し作業(旋盤・マシニング)
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回転治具やシャフトの振れ測定
に使います。
ダイヤルゲージが「直線方向の変位を測る」のに対し、
ピックテストは微小な角度や表面の誤差を拾うのが得意です。
構造の特徴
| 特徴 | 内容 |
| 測定子がレバー式(触針) | 面をなぞるように測る |
| 微小変位に敏感 | μmレベルの誤差を測定 |
| ゲージの角度自由度が高い | 狭い場所でも測定可 |
ツールクランプスタンド

ツールクランプスタンドとは、
**マシニングセンタなどで使用する工具(ホルダー付き工具)を、安全かつ安定して着脱・セットアップするための専用台(スタンド)**です。
主にホルダーの固定を行い、
工具交換や組付け・清掃・プリセッタ―への準備作業を行う際に使われます。
役割
| 目的 | 説明 |
| 工具の固定 | BT/HSK/CATなどのホルダーをがっちり固定 |
| 安全な工具交換 | 工具を持ったまま締付け/緩め不要 |
| 段取り作業の効率化 | 工具の取付・チップ交換・清掃が安定 |
| 工具やホルダーの保護 | 落下や傷防止、作業台破損防止 |
よくある用途
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・チップ交換
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・エンドミルの取付・脱着
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・コレットチャックの締付・開放
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・工具の清掃・点検
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・プリセッタ―へ工具を持っていく前の準備
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焼きばめ装置

焼きばめ装置とは、
切削工具を熱膨張の原理を利用してホルダーに固定するための装置です。
主に**焼きばめホルダー(シュリンクフィットホルダー)**を使用する際に使います。
仕組み(原理)
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・ホルダーの口元(内径部分)を加熱し、熱膨張で穴を広げる
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・工具(エンドミルなど)を挿入
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・ホルダーを冷却すると収縮し、高い把持力で工具を固定
・ 熱で広げて、冷やして締めるという方法です。
特徴
| 項目 | 内容 |
| 方式 | 加熱(誘導加熱が主流)+ 冷却(空冷 or 水冷) |
| 精度 | 振れ精度が非常に高い(数μmレベル) |
| 工具交換 | 専用装置で素早く・確実に |
| 保持力 | 高い保持力で重切削にも対応 |
メリット
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・高精度(工具の振れが小さい)
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・高いクランプ剛性
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・工具飛び出し量が短くでき、剛性UP
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・バランスに優れ、高速加工に最適
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・チップ式工具と比べて加工面が美しい
デメリット
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・焼きばめ装置が必要(導入コスト)
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・工具交換に熱処理時間が必要
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・超硬工具専用が多い(高温対応)
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使用シーン
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・高速加工(航空機、金型、5軸加工)
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・高精度仕上げ切削
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・微細加工
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・工具の振れを極限まで抑えたい場合
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スピンドルクリーナー

スピンドルクリーナーとは、
マシニングセンタなどのスピンドル内(テーパ穴)を清掃するための専用工具です。
テーパー内に付着した切粉、油、埃、錆、汚れを安全かつ確実に除去し、
ホルダーの振れ精度・クランプ力を維持するために使用します。
なぜ必要?
スピンドルテーパー内にゴミや油が残ると…
| 問題 | 発生現象 |
| ホルダーの浮き | 振れ増大、精度低下 |
| 把持力低下 | 工具の抜け、びびり |
| テーパー面傷 | 交換コスト大、加工不良 |
| 主軸寿命短縮 | メンテ工数増大 |
1個の切粉が高額な主軸トラブルを生むこともあるため、
現場では重要なメンテ工具です。
使い方(例)
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①主軸内を軽くエアブロー
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②スピンドルクリーナーを主軸に装着
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③軽く回転(タイプにより)
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④テーパー全面の汚れを除去
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⑤再度ブロー、目視確認
※主軸面に傷をつけないよう、専用品を使用するのが鉄則です。
使用タイミング
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①ホルダー交換の合間
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②新しい治具やホルダー使用前
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③毎日のメンテナンス
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④異音・振れ異常時の確認
→ 「段取りのひと手間が精度を守る」
使用イメージ

3Dテスター

3Dテスターとは、
マシニングセンタなどの工作機械で、ワークや治具の位置決め(原点出し)を高精度に行うための測定器です。
主軸に取り付けて使用し、X・Y・Z 方向の当たりを一台で確認できるのが最大の特徴です。
役割・用途
| 用途 | 説明 |
| 原点測定 | ワーク基準点を正確に決める |
| センタリング | 円穴や円柱の中心出し |
| 直角・平行の確認 | 治具や部品の位置合わせ |
| 測定機能 | X,Y,Z方向の接触で針が反応 |
特徴
| 項目 | 内容 |
| 測定方法 | 接触式(先端球が触れる) |
| 表示 | ダイヤル指針で変位を読み取り |
| 方向 | 3方向(X,Y,Z)対応 |
| 精度 | μmレベルで測定可能 |
| 機内使用 | 主軸回さず、手動で測定 |
使用イメージ
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①主軸に3Dテスターを装着
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②針が中心位置に来るようワークに近づける
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③ワークの面・エッジに当てて針のゼロを取る
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④XYZ原点を設定
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メリット
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・1本でXYZ方向全て測定
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・原点出しが直感的で早い
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・高精度で信頼性高い
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・誰でも一定品質で作業可能
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デメリット
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・手動操作が必要
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・落下・衝撃で精度が狂いやすい
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・しっかり校正管理が必要
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バイス

マシニングセンタ用バイスとは、
マシニングセンタで加工するワーク(材料)を高精度・高剛性で固定するための治具です。
切削力に耐え、ズレや振動を抑え、安定した加工精度を確保します。
ハンマー

マシニングセンタ用ハンマーとは、
工作機械(マシニングセンタ)での段取り作業で、ワークやバイス・治具の位置決め、工具の軽いタッチセットなどに使用されるハンマーのことです。
主な用途
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ワーク(加工品)の微調整位置決め
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バイスにセットしたワークを正しく密着させる
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治具・ストッパーの調整
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工具タッチ(工具の当たり確認)に軽く使う場合もあり
特徴
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樹脂・ゴム製ヘッドが多く、金属を傷つけにくい
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金属+樹脂のコンビハンマーが一般的
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衝撃吸収設計で、精密品を傷つけず位置出し可能
注意点
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・CNCマシン内部での打撃は切粉や油の飛散に注意
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・過度な打撃でワークがずれることがある → 軽い調整が基本
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・精密加工での位置決めはダイヤルゲージや3Dテスター併用
まとめ
ChatGPT:
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